医長 |
太田 逸朗 |
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当院では従来より内科(内分泌代謝)として診療を行っておりましたが、平成28年4月1日より糖尿病・内分泌代謝内科として独立しました。
当科では主に内分泌疾患および代謝疾患を担当します。
内分泌疾患としては視床下部・下垂体・甲状腺・副甲状腺(上皮小体)・副腎・性腺などのホルモンを分泌する臓器の異常、すなわちホルモン過剰(甲状腺機能亢進症など)、ホルモン不足(甲状腺機能低下症など)、内分泌臓器の腫瘍(脳下垂体、甲状腺、副腎など)が診療対象となります。また、ホルモンの異常を背景として発症するいわゆる二次性高血圧症に対する診療も担当します。
代謝疾患としては糖代謝異常(1型・2型糖尿病などの糖尿病全般、原因不明の低血糖症など)・脂質代謝異常(家族性高コレステロール血症などを難治性の脂質異常症、原因不明の肥満・るいそう)・核酸代謝異常(高尿酸血症など)が診療対象となります。
また、高・低ナトリウム血症、高・低カリウム血症、高・低カルシウム血症などの電解質異常についても、内分泌・代謝系の異常を背景として発症することが少なくないことから診療対象とします。
血液検査をはじめ超音波検査、CT scan、MRI、RIシンチグラムなどの検査を駆使して迅速に診断を行い、治療に結びつけます。外科的治療や放射線科的治療が必要な場合には、当院外科や近隣の専門施設と連携して治療を進めます。
甲状腺手術:
岩国医療センター耳鼻咽喉科
土谷総合病院甲状腺外科
野口病院内科・外科(大分県別府市)
など
甲状腺アイソトープ治療(放射性ヨード内用療法):
安佐市民病院 内分泌・糖尿病内科
広島赤十字・原爆病院 内分泌・代謝内科
など
下垂体手術:
県立広島病院脳神経外科
著明な高血糖がある糖尿病の方に対しては約10日間の糖尿病教育入院をお勧めしています。当院での糖尿病教育入院では、①血糖の正常化 ②糖尿病合併症の評価および治療 ③糖尿病療養指導を三本の柱とし、糖尿病療養指導に関するハイレベルの知識と豊富な経験を備えた多職種集団(医師・管理栄養士・薬剤師・理学療法士・臨床検査技師)から構成される糖尿病療養指導チームによって患者様の生活や価値観に合わせたオーダーメイドの療養指導を行っております。発症初期の糖尿病療養指導の成否はその後の糖尿病合併症発症進展予防に大きい影響を及ぼすことが知られていますが、当施設における糖尿病教育入院を終えた方は退院後もほぼ例外なく良好な血糖コントロールを維持されており、新たに合併症を発症することなく過ごしておられます。
低血糖症症状を頻発するいわゆる不安定糖尿病については、CGM(持続血糖モニター)により血糖の変動を分析して適切な治療方針を立てることにより安全な血糖コントロールを図っております。特に、若年発症1型糖尿病など治療が長期にわたる方に対してはCSII(インスリンポンプ療法)導入やカーボカウント教育をお勧めし、食事療法によるストレスから解放しかつ確実に合併症を防ぐ治療法を提案しています。
病状が安定した方につきましては、近隣の医療機関と緊密な連携のもとで治療および経過観察を行います。
またCGMによる血糖変動分析や栄養指導のみを希望される方は、かかりつけ医の紹介状をお持ちいただけましたら随時承ります。
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
平成27年度
(院内他科および健診センターからの紹介分(過去5年間))